<広島1-4ヤクルト>◇1日◇マツダスタジアム

 ヤクルト藤本敦士内野手(33)が9回、決勝の1号3ランを放った。2死一、二塁のチャンスに、初球の内角低めスライダーをすくい上げた。打球は右翼ポール際にはずんだ。藤本は「どうやって打ったか分からない。生まれて初めての感触でした」と興奮気味に話した。

 打席に入る前、伊勢総合コーチから「真っすぐかスライダーで、早めに勝負しろ」と言われた。助言通りに初球、低めのスライダーを振り切った。7回1死一、二塁では凡退していただけに、悔しさを晴らすには十分だった。

 昨秋に腰を手術し開幕時は2軍。実績十分の33歳も今季は定位置がなく、この日は休養のベテラン宮本に代わっての先発出場だった。「僕も必死。試合に出るからには何とかして結果を出したかった」。