<広島3-5中日>◇3日◇マツダスタジアム

 広島前田智徳外野手兼打撃コーチ補佐(42)が、現役最終打席に立った。8回2死走者なしから、代打で登場。満員のスタンドは、スタンディングオベーション。無数のフラッシュがたかれる中での打席だったが、投ゴロに倒れた。最後はベンチ前で、ヘルメットを取ってファンの歓声に応えた。9回は08年7月25日横浜戦(広島)以来の守備に就いた。マツダスタジアムでは初の守備で、右翼手として森野の二塁打を処理するなど、最後までファンを沸かせた。

 試合後に行われたセレモニーでは、「24年間、いつも温かい声援をいただき、ありがとうございました。故障だらけの野球人生でしたが、球団オーナーを始め、監督さん、スタッフ、裏方のみなさんに、励ましていただき、支えられながら、ここまで乗り切ってくることが出来ました。この広島で、そして広島東洋カープで、一途に野球が出来たことを誇りに思います。そして、どんなときも支えてくれた、両親と家族に本当にありがとうと言いたいです。カープは16年ぶりにAクラスに入ることができました。監督さんをはじめ、コーチ、裏方さんが、若い選手を、そしてベテランをうまく指導してここまでこれたと思います。自分がここにいれないことは非常に悔しいですが、この節目を強いカープとなって、未来のカープが明るくなることを祈って、今日をもって引退します。高木監督をはじめ、ドラゴンズのみなさんありがとうございました。ドラゴンズの来年の巻き返しと、チームのドラゴンズらしい野球を期待しています。最後にもう1度今日まで応援してくれたファンのみなさん、今日まで支えてくれたすべての方に感謝します。長い間本当にありがとうございました」と別れを告げた。