<コナミ日本シリーズ2013:楽天2-4巨人>◇第6戦◇2日◇Kスタ宮城

 今季無敗のマー君に初黒星をつけたのは、崖っぷちの巨人だった。

 2点を追う5回。湿っていた打線に火をつけたのは、2回にタイムリーエラーで追加点を献上したロペスだ。1死二塁。助っ人大砲は、マー君のウイニングショット(スプリットボール)を捉えた。打球は左越えに飛び込む同点の2ラン。「前回、田中投手に抑えられて悔しかった。今日はエラーをしていたし絶対に打つという強い気持ちでスイングしたよ」。名誉挽回のビッグアーチは一塁側の巨人ベンチに勇気と元気を吹き込んだ。

 勢いは止まらない。この回、高橋由が2死一、三塁から、3球続いた直球を気持ちで中前にはじき返した。「追い込まれていたし何とかバットに当てる気持ちだけで必死だった」。6回にも1点を追加し、今シリーズ初の2桁12安打で4得点。第5戦までチーム打率1割5分2厘と冷え込んでいた打線が、球界の大エースを沈め、うっ憤を晴らした。

 心配していた坂本が3安打、ロペス2安打、高橋由2安打、阿部も1安打。眠れる役者たちがようやく目を覚ました。

 試合前まで劣勢ムードだった巨人は、完全に息を吹き返し3勝3敗。逆王手で短期決戦では必須の“勢い”を味方につけた。

 修羅場をくぐり抜けた原監督も勝利者監督インタビューで「世紀の一戦になる。死力を尽くし全力で戦っていく」と第7戦へ気合を入れ直した。

 巨人が、2年連続日本一の座を一気につかみ取る。