阪神は抑えの補強を優先し、韓国プロ野球サムスンから呉昇桓を獲得する代わりにジェイソン・スタンリッジ投手(35)を放出した。

 さらに中日からFA宣言した中田賢の争奪戦に敗れた。そして来季先発を期待していた久保が抜けた。

 現状で確定的な先発枠は能見、メッセンジャー、藤浪だけだ。今季、リーグ断トツの防御率を誇った先発陣に暗雲が垂れこめ、来季が契約最終年の和田監督は「どう埋めるのか考えないといけない」と危機感をにじませた。

 高野球団本部長は「今季不調だった先発陣の巻き返しに期待するのが理想」と現有戦力の底上げに言及した。

 4年目の秋山、3年目の岩本、2年目の歳内は未勝利だった。覇権奪回には白仁田、鶴と伸び悩むドラフト最上位入団組とともに生え抜き投手の成長が不可欠となる。

 指揮官は「若手に枠に入ってきてほしい」と願うように言った。