<SMBC日本シリーズ2014:ソフトバンク1-0阪神>◇第5戦◇30日◇ヤフオクドーム

 阪神ランディ・メッセンジャー投手(33)は8回に力尽きた。立ち上がり2回までは無安打に封じたが、3回以降は再三走者を背負う苦しい展開だった。それでも大和らの好守にも助けられ、7回まで無失点を続けていた。

 だが、とうとう8回につかまった。先頭柳田に右前打を浴びて出塁を許し、明石の犠打で1死二塁。内川に右前打を許し1死一、三塁のピンチを背負った。4番李大浩は空振り三振に打ち取り、5番松田を迎えた。フルカウントからの8球目。148キロの直球は真ん中に吸い込まれた。悲劇の打球が、上本の左を抜けていった。中前適時打。スコアボードに並べてきたゼロも、8回についに「1」がともった。

 7回2/3を投げ9安打1失点。「仕事はできたと思うが、勝つことが一番なので、1点とられたことはすごく悔しい」とコメントした。日本シリーズでは2試合に先発し、計14回2/3を投げ、15安打3失点。熱投が評価され、敢闘賞を受賞したが、笑顔はなかった。