オープン戦防御率が0・00と12球団NO・1の中日吉見一起投手(23)が、巨人相手の先発最終テストに臨む。18日の巨人とのオープン戦(東京ドーム)に先発が予想される3年目右腕・吉見はここまで2試合12イニングを連続無失点中。今季最大のライバル巨人打線を抑えれば、念願の開幕ローテへの道が開ける。

 吉見はこの日、他の選手とともに東京都内で行われた激励会に出席した。自身の好調については「すべての球でストライクが取れていますし、気持ちの問題が大きいですね。あまり結果を気にしないようにしています」と分析。開幕ローテは川上、朝倉、中田、小笠原が確定。第5、第6の座を好調の吉見、ベテラン山本昌、左腕チェンらが狙い、故障で出遅れている山井が追う状況だが、吉見は「今は打たれたら仕方ないと思って投げている」と先を見ないように心がけている。

 前回登板の11日西武戦(岡崎)では7回を投げて5安打無失点。140キロ台半ばのストレートに加えて、スライダー、シュート、パーム、フォークとすべての球種でストライクを取れる制球力が武器。さらに今季はピンチでも変化球に頼らず直球で押す力強さも加わった。森バッテリーチーフコーチが「(先発に)入らなくても、ロング(リリーフ)で待機させられる」と言うように、すでに開幕1軍は当確。あとはレベルの高い先発陣に入れるか、否かが焦点となる。

 巨人は新戦力ラミレスや、故障から復帰した小笠原、二岡ら、ほぼベストメンバーをそろえてくる予定。投手王国・オレ竜の開幕ローテに入るのは容易ではないが、本番モードになった今季最大のライバルを、敵地・東京ドームで封じれば首脳陣の信頼も急上昇することは間違いない。売り出し中の“ミスター・ゼロ”のピッチングに注目だ。【鈴木忠平】