FA砲が期待通りの活躍だ。阪神新井貴浩内野手(31)が日刊スポーツ新聞社制定「エネルギッシュ・タイガース」の4月月刊MVPに選ばれた。広島からFAで阪神に新加入。開幕から3、4月は全試合に3番一塁でフル出場し、100打数32安打18打点2本塁打。打点を挙げた試合は12戦全勝の不敗神話も築いた。チームは鮮やかな開幕ダッシュに成功。その立役者の1人となった。
劇的なサヨナラ弾だった。4月30日のヤクルト戦。第1期改修工事を終え、リニューアルした新甲子園での今季チーム1号は、同点の9回裏、新井のバットから飛び出した。松岡から勝負を決めるセンター左寄りへの1発。最高の形で4月を締めくくり、甲子園のスタンドも今年最大の盛り上がりとなった。
「もう何と言っていいか。これだけのファンの皆さんに勇気のわく応援をもらって、最高の結果が出て本当にうれしい」
新井のバットが打点を生み出せば、チームは負けない。開幕から3、4月は新井が打点をあげた試合は12戦全勝。新たな不敗神話が生まれた。そして、負けた次の試合では、7試合中6試合で打点をたたき出す活躍。「本塁打よりも打点。チームのために点を取りたい」。ここまで連敗ゼロというチーム成績は、まさに新井のバットのおかげ。「連敗はしたくないですから」との言葉通り、ここぞの場面で特に強さを発揮している。
「優勝の喜びを味わいたい」と、地元球団広島から涙のFA宣言で阪神に移籍。星野ジャパンの4番も担い、北京五輪アジア予選でも大奮闘した男の加入はナインにも大きな刺激を与え、チームにこれまでなかった激しい競争をもたらした。そして3番として期待通りの働きぶり。開幕からわずか1カ月で、タテジマもすっかりなじみ、今やチームになくてはならない存在だ。
4月12日の横浜戦では、プロ通算1000本安打も達成した。だが「単なる通過点に過ぎない」と浮かれることもなく、あくまでフォア・ザ・チームの姿勢を貫いている。長いシーズンはまだ始まったばかり。広島でかなわなかった夢を実現させるためにも、さらなる活躍で実りの秋を目指す。



