<ソフトバンク3-10日本ハム>◇16日◇福岡ヤフードーム

 やはり、ただの新人じゃない。日本ハムの逆輸入ルーキー多田野が2度目の先発で2勝目を挙げた。独特のフォームから時折、90キロ台の超スローボールを交えながら、ソフトバンク打線を翻弄(ほんろう)。6回途中まで6安打2失点に抑えた。2日の楽天戦でのプロ初登板初勝利後、2軍で調整し、この日1軍に再昇格。1試合3ボーク以上を記録した投手では、初の勝利投手となった。

 夢のような記念の一戦になった。実はソフトバンク王監督は東京・墨田区「業平(なりひら)小学校」の大先輩。この日が初対面で、あこがれていた先輩の前で結果を出した。「王監督は偉大な方。そこで勝ち投手になれてうれしい」と無邪気に喜んだ。

 米マイナー時代は月給12万円ほど。家賃、レンタカー代だけで赤字だった。両親から仕送りしてもらいながら野球を続けてきた。母寛子さんがスタンドで見守る前で、遠回りしても歩んできた道のりの正しさを証明した。

 中13日での先発。1、2、6回の3度、単打を許した直後にボークを取られた。グラブを首付近の高い位置で止める米国流のセットポジションが、完全静止していないと判断された。「審判がボークと言ったらボーク。リスペクトしないといけない」。だが自滅しそうでも、気持ちを切り替え前回同様に無四死球。日本で13イニング目の6回に初失点したが、「点数もあったし許せる範囲の得点」と勝利に貢献した。「(有資格の)新人王?

 まだ早いです」と謙遜(けんそん)したが、2戦2勝で夢ではなくなってきた。