<ソフトバンク3-10日本ハム>◇16日◇福岡ヤフードーム
選手サロンへと引き揚げる沈黙の行列が、ソフトバンクのチーム状況を物語る。今季5度目の3連敗で借金2。4位に転落。試合後、選手たちにこの日も「集合」がかかった。「話すことはないけどね」。2夜連続の緊急ミーティングを終えた王監督は、自嘲(じちょう)気味にそう言って会見に臨んだ。今季最多の16被安打で、04年7月以来となる3試合連続2ケタ失点。王監督の口が重たくなるのも当然だった。
またも「初物」に負けた。初対戦となった日本ハムの先発、ルーキー多田野に5回まで散発3安打の無得点。直球は130キロ台後半だが、独特のテンポで投げ込む速いリズムとチェンジアップ、スローカーブを織り交ぜた緩急に凡打の山を築いた。「緩急を付けてね。投げ方どうこうではなく、打たせて取るタイプ。アメリカで苦しんだだけはある」。王監督も多田野の力を素直に認めた。
首位西武に今季最大の7・5ゲーム差を付けられた前夜のミーティングで、王監督はネバーギブアップを宣言し、原点回帰の再出発を選手に促した。球場入りした王監督はこう言った。「多田野はこの間の投球を見たら変則的な投げ方で、ボールをしっかり見なきゃいけない。今日から基本に戻ってやろう、ということだから、変則的というのは相手としてはちょうどいいんじゃないかな」。そんな王監督の願いも初回で裏切られた。初回に先発の大隣が6連打で4点を失ったことが、チームの沈滞ムードをさらに重くしていた。
苦手とする初物対決はオリックス・オルティズに勝利しただけで、西武キニー、ロッテ唐川に続く今季3敗目だ。2番に今季初めて川崎を起用する起爆剤も不発に終わった。「自分たちで流れを変えないと。流れを変えようといろいろやったんだけどね。とにかく流れを変えないと…」。王監督の言葉にどこか力がなかった。【中村泰三】



