<中日2-4オリックス>◇28日◇ナゴヤドーム

 200勝まであと4勝の中日山本昌投手(42)が、今季初黒星を喫した。3回、カブレラに先制の8号2ランを浴びるなど、5回2/3を7安打4失点。自身3連勝中の勢いに乗れず、味方打線が4安打2点に抑えられたことにも泣かされた。チームの連勝も2でストップ。首位阪神が敗れたためゲーム差は「4・5」のままだが、交流戦はまた黒星先行となった。

 山本昌はぼうぜんと打球の行方を見つめた。右翼スタンドに白球が弾むのを確認すると天を仰いだ。3回2死二塁、オリックスの主砲カブレラにフルカウントから外角低めのスクリューで勝負した。自信を持って投げた球が先制2ランとなった。納得できなかったのか、マウンド上で何度も首をかしげた。

 「仕方ない。ボールに力がなかった。長打を打たれてはいけない場面で打たれてしまった」。5回には再びカブレラの犠飛で3点目。打線が2点を返してくれた直後の6回には大引、日高に連続二塁打を浴びて痛恨の4点目を失った。

 5回2/3を7安打4失点で今季初黒星。7安打中、長打が6本。先制され、反撃した直後に追加点を許す悪循環だった。無傷の3連勝中だった山本昌が止まり、チームの3連勝も消えた。「ボールがいっていなかった?

 いえ、そんなことはないです」。7安打のうち4本が変化球。これまでの登板と同様に序盤から直球に威力があっただけに悔しそうだった。

 試合後、落合監督は初対戦の24歳右腕・オリックス先発の近藤に5回まで4安打2点に抑えられた打線を嘆いた。「流れ的には悪いだろう。知らないピッチャーが来ると重たいな。自分たちで勝手に重くしているんだけどな。まあ、いつか軽くなるだろう」。これで交流戦4カードのうち3カードで初戦黒星。波に乗りきれない。救いは首位阪神も敗れ、ゲーム差が4・5と変わらなかったことだ。【鈴木忠平】