攻めの神髄、金本口火二塁打&高橋光犠飛
<阪神2-1広島>◇11日◇甲子園
20歳の前田健を打てない。6回には広島に先制点を許した。10試合連続2ケタ安打と絶好調だった猛虎打線を次第に包み込む重いムード。そんな空気を振り払った。やはり阪神主砲、金本知憲外野手(40)のバットだった。
8回、先頭で打席に立った。広島シュルツの5球目、外角スライダーを左中間に運んだ。左中間を深々と破る二塁打。詰まっていた打線の流れを一気に動かした。「オレは何もないよ」。試合後はさらりと言った4番が仕事を果たしてからは“つなぎ”の猛虎打線の本領発揮だった。続く5番葛城が、必死の進塁打で三塁へ進める。広島ベンチは、守護神の永川を投入した。鳥谷は四球。阪神ベンチも動く。代打高橋光が代打で送られた。
高橋光 もちろん打ちたかったよ。僕の場合はゲッツーがあるけど、それは頭から消して打席に入った。芯に当たるとゲッツーになる。(ボールの)上か下に当てようと思った。絶対フォークだと思ったんだけど、反応ですね、反応。
カウント2-2から外角低めの147キロ直球をセンターに打ち返した。犠飛には十分の飛距離を運んだ。最悪の状況を回避し、あっさり同点打。ベテランの妙味が凝縮された1打で、猛虎が息を吹き返した。
7月7日。七夕の日は33歳の誕生日だった。小学校2年生の娘から帽子をプレゼントされた。「いつも『外に出る時は帽子をかぶって』って言っているのを、そのまま言われちゃったよ」と喜んだ。今季から、遠征先の服装は自分で選ぶ。「本当にどうでもいいんだけど…」。昨年までは春菜夫人に任せていた。変化の裏には、父としての自覚がある。「子供には『何でも自分でしなさい』って言っているのに、自分がやってもらっていたら恥ずかしいでしょ?」。子どものお手本であり続ける。私生活で、そして仕事場で、父の威厳を見せつけている。
そしてチームの中では、いぶし銀の存在が光る。「勝ちゃあ、いいんです。今日は貢献できて良かった」。4番が口火を切って、右の代打の切り札が返した。8回の同点劇にも、阪神の強さが凝縮されていた。【佐井陽介】
[2008年7月12日10時36分 紙面から]
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