<中日4-10ヤクルト>◇13日◇ナゴヤドーム

 中日がヤクルトに大敗し、04年の落合政権発足以来初の同一リーグ4カード連続負け越しとなった。首位阪神に今季最大13・5ゲーム差に広げられ、自力Vの可能性もまた消えた。3日前に中継ぎで登板した吉見を先発させる奇策に出たが、これが裏目。初回は無難に切り抜けたが2回に7点を奪われ、1回1/3を6安打7失点でKOされた。2回の失点「8」は1イニングの今季チーム最多失点。チームの立て直しをはかるはずが泥沼の低迷が続いている。

 壮絶なKO劇だった。先発吉見が沈んだのは3点を先制した直後の2回だ。先頭の田中から3連打で1点を失うと、1死満塁から福地に走者一掃の右中間二塁打。あっという間に3-4と逆転された。汗びっしょりになって腕を振っても球が走らない。制球が乱れる。さらに青木に5点目のタイムリーを浴びたところでようやく落合監督がベンチを立った。

 「3点取ってもらったのに申し訳ない…。自分の軸である外の直球とスライダーでストライクが取れず、ストライクを取りにいったところを打たれてしまった」。1回1/3を6安打7失点で3敗目。マウンドを降りた吉見の顔は青ざめていた。10日広島戦で中継ぎ登板してから中2日での先発だった。告げられたのは2日前。不振を脱出すべく約2カ月ぶりにセットアッパーから先発へ戻ったが、奇襲は完全に裏目。2番手佐藤充も2安打で1点を失い今季ワーストの1イニング8失点を喫した。

 落合監督は吉見の次回先発起用を明言した上で、奮起をうながした。「疲れ?

 野球選手は疲れるに決まっているじゃないか。これが仕事だ。今までみんなにチヤホヤされたんだ。打たれた時はボロクソに言われて、そこからはい上がってくればいいじゃないか。先発で使うよ。うちは先発がいないんだ」。

 打線は初回、森野、ウッズ、中村紀の3連打と平田の中犠飛で鮮やかに3点を奪った。だが、逆転された2回以降は1点止まり。相変わらず投打がかみ合わない。「今のメンバーでここまで勝ってきたんだ。負けたからっていちいち代えていられない。ファームで数字残せない選手を使うつもりはない!」。これで阪神、巨人、広島、ヤクルトと今季初の4カード連続負け越し。落合監督の我慢は続く。【鈴木忠平】