<横浜2-3広島>◇25日◇横浜
広島前田健太投手(20)が5勝目を挙げた。6回2失点で対横浜戦初勝利。チームの連敗も3で止めた。これで8月3勝。広島の高卒2年目投手の5勝到達は、77年の北別府学以来31年ぶりだ。母の葬儀のため米国に帰国していたブラウン監督の復帰戦で、孝行息子が弔い星を捧げた。
最後の打者を永川が投ゴロに仕留めると、ベンチの前田健は笑顔と安堵(あんど)感の入り交じった表情をみせた。ブラウン監督に頭を抱えられた後は、リブジーベンチコーチ、小林投手コーチらと次々にハイタッチ。「自分の持ち味が出せた。バックにも助けられて、今日はうまく粘ることができました」。
初回から安打を浴びたがとにかく粘った。3回に内川に適時打されたが5回まではこの1点のみ。これまで対横浜には防御率6・19と打ち込まれていたが、真っ向から向かっていった。3試合連続で被弾している吉村には死球を与えるほど内角を攻め、空振り三振も奪った。
24日に登板予定だったが雨で試合中止。これまでに2度流れた。その度に登板を飛ばされた。「また飛ばされるかなと思ったけど、スライドで投げさせてもらえた」。粋に感じなければならない。信頼を勝ち取りたい-。その思いでプロ初のスライド登板のマウンドに上がり、8安打を浴びながらも6回を2失点で切り抜けた。「いい投球ができて、信頼を得られてよかった」。
母の葬儀のため19日から帰国中だったブラウン監督が前日からチームに戻ってきた。不在の間に阪神に3連敗。復帰後の初星をささげた。「前田健が試合を作ってくれたね。彼はいい状態をキープしているよ」。悲しみのさなかにいる監督に、笑顔が戻った。若き18番は「監督がいてもいなくても、自分のやることは変わらないけど、今日はなんとしても勝ちたかった」。口調は冷静だったが、言葉は熱を帯びていた。【網
孝広】



