<中日5-4横浜>◇7日◇ナゴヤドーム

 3年目の中日平田良介外野手(20)がプロ1号で代打サヨナラ弾という離れ業を演じた。4-4の9回1死、横浜横山の真ん中カットボールをフルスイングすると、打球は右中間最前列に飛び込んだ。「うれしいです!

 本当のプロ生活が始まるかなという気がする。立浪さんに言われた言葉で楽に打席に入れました」と胸を張った。

 プロ1号をアシストした言葉があった。打席に入る前、打撃コーチ兼任のベテラン立浪に「走者がいなかったらホームラン狙っていけよ。その代わりバックスクリーンだぞ。センターに打てるボールを思い切り振れ。三振かホームランでいいんだ」。いつもなら本塁打狙いで引っ張ろうとするところだったが、このひと言で肩の力が抜けた。

 実はこの日2本目のアーチだった。午前にウエスタンリーグ・ソフトバンク戦(ナゴヤドーム)でもルーキー大場から右中間に特大3ランを放った。起床したのは午前5時。ベンチではウッズにひまわりの種をもらい、バリバリ噛んで眠気を吹き飛ばした。

 落合監督は「坊やがねえ…。初めての本塁打がサヨナラというのも、ちょっとカッコよすぎない?

 高校の時、あっち(右方向)へ打てるから無理して取ったんだ。あっちへ長いの打てるヤツは大成するんだ」と、ほれ込んだ若手の1発を素直に喜んだ。今季初の同一カード3連勝で再び貯金1。苦戦続きのオレ竜に、久しぶりに未来を感じられる夜となった。【鈴木忠平】