<パCS第1ステージ:オリックス2-7日本ハム>◇第2戦◇12日◇京セラドーム大阪
日本ハムがクライマックスシリーズ(CS)第1ステージを連勝で突破した。王手をかけた第2戦、梨田昌孝監督(55)は、左ふくらはぎ肉離れで主軸の稲葉を欠くと、1番に糸井を抜てき、3番に田中、さらに坪井も起用。打つ手がことごとく当たって13安打7得点でオリックスに7-2と快勝した。17日に開幕するCS第2S(大宮、西武ドーム)で、3年連続の日本シリーズ進出へ向け、パ・リーグの覇者西武に挑戦する。
梨田監督が、お立ち台に上る。勝利監督インタビュー。口元を緩ませながら、悦に入った。2戦2勝、スイープで「古巣バファローズ」を撃破。かつての教え子ローズらが一塁側ベンチ裏へ、消沈して消えていく中、勝因を語った。選手を持ち上げ続けた約3分間。往年の近鉄ファンも多数いたであろうスタンドの静寂から、温かい声が耳に届いた。梨田監督は、万感の思いでいた。「最後にオリックスを倒して…。「頑張れ」っていうコールをもらえて良かったわ」。
1度は「敗者」になったグラウンドへ「勝者」になって舞い戻った。04年、選手、指導者として計29年間、袖を通したユニホームを脱いだ。大阪で近鉄の歴史に幕を下ろす最後の監督として去った。今季、日本ハムの指揮官として球界へカムバック。数奇な運命を感じるような節目だった。
この日は早朝5時に起床した。「もう老人だから」。球場へ到着すると届いたのは、打線の要・稲葉の左ふくらはぎ肉離れの一報。「(CSが)長引くとこっちが不利になる。何とか決めたかった」と話した。
ピンチに采配はさえた。1番に野手転向3年目の糸井を抜てき。稲葉の代役の3番には、リードオフマンの田中を配置転換した。「坪井しかいないと思っていた。大正解だった」。外野に1つ空いた穴を、今季打率2割2分のベテランに任せた。その坪井が4打数4安打1打点。先発に起用した藤井は7回途中まで1失点で奮闘した。第1戦では4番抜てきのスレッジが先制弾を放った。打つ手があたっての連勝に「日ごろ、やっている野球ができた」と会心の笑みだ。
最後は穏やかだが、力強く宣言した。「3位からだけれど、頂点を目指して頑張っていきたい」。大阪を抜け、さらなる舞台は埼玉。そして日本シリーズへ進出で北の大地へ-。夢とロマンを求める野球旅は、また大阪を出発点に北上していく。【高山通史】



