ポスト岡田は外国人もOK。阪神は辞任する岡田彰布監督(50)の後任人事に着手しているが、坂井信也オーナー(60=電鉄本社社長)が13日、候補者を球団OBに限定せず、外国人を含めて、広く人材を求める考えを明らかにした。「私の責任で決める」と断言するオーナーが、新監督の候補者像について触れたのは初。岡田監督との直接会談で辞任の意思を最終確認した後に、急ピッチで後任の人選に取りかかる。

 クライマックスシリーズを目前に控えて監督問題に直面した阪神坂井オーナーが、新監督候補の資格について初めて口を開いた。現段階では条件面で制限を設けず、幅広い視野で最適任者を探していく考え。球団OBにこだわらないばかりか、外国人監督も容認するオープンな姿勢だ。

 「仮定の話で(紙上で)名前がいっぱい挙がっていますね。球団OBが多いみたいですが、OBでないといけないという狭い枠組みにはとらわれていません。OBかOBじゃないかはどちらでもいい。極端な話、外国人になるかも分からんです。そういう人がいるのならばね」

 「体育の日」だったこの日は、理事長を務めるタイガースGC(兵庫県加東市)での記念ゴルフコンペに参加した。ホスト役としてラウンド中も、目の前の難問が頭から離れなかった。「ポスト岡田」は外国人もOK。「極端な」考えまで浮かんでいるのは、フラットな視点で候補者を絞り込みたい姿勢の表れだ。

 プレーヤーか指導者として、少なくとも1度はタテジマを着たことのある人物に来シーズンを託したい。OBを重視するのは伝統球団ならではの発想だが、実際に監督選定を行う坂井オーナーはこだわりを捨てている。出身にはこだわらず、重視するのは適性だ。79年から2シーズン指揮を執ったブレーザー氏以来、敬遠されてきた外国人監督も、候補者に組み入れた。

 「決めるまでいろいろな人に話を聞くでしょう。本人には、候補者を絞ってから実際にお話しするんでしょうな。何人にも声をかけて、その中からなんてことはできないでしょう」

 メジャー球界などで用いられている、複数の候補者と面接してから最終決定する「ヒアリング」の手法を、オーナーは否定した。吉田義男元監督(日刊スポーツ客員評論家)などOBや、星野仙一SD、南信男球団社長という“身内”から広く意見を求めて判断する。

 理想の監督像を問われて「ひと言では難しい。また考えておきます」と坂井オーナーは話した。OBでは田淵幸一元チーフ打撃コーチ、日刊スポーツ評論家の真弓明信氏、生え抜きの内部昇格として平田勝男2軍監督、木戸克彦作戦兼バッテリーコーチらが候補となるが、これらに対抗する形で、外国人まで枠を広げた外部招へいをにらんだ作業に取りかかる。