FA補強は横浜三浦に専念!

 阪神は15日、FA補強で最優先する横浜三浦大輔投手(34)の情勢を最後まで見極める方針を固めた。獲得候補に浮上した中日川上憲伸投手(33)がこの日、正式にFA宣言したが三浦を本命とする優先順位は揺るがなかった。坂井信也オーナー(60=電鉄本社社長)が資金的なバックアップを約束し、真弓明信監督(55)は交渉への出馬も前向き。三浦獲りの態勢を固めて、宣言を待つことになった。

 トラのFA戦略はぶれなかった。本命の横浜三浦に先駆け、中日川上が正式にFA宣言を表明。川上は改めて国内移籍の可能性を示したが、阪神は三浦最優先のシフトを保つことが分かった。沼沢正二球団本部長が川上のFA宣言を受けて慎重に話した。

 「方針は投手中心ですから検討させてもらう。複数と交渉することもあるが、優先順位は念頭にあるし、1人に絞ることもある」

 昨オフの新井と福留、02年の金本と中村紀など、過去にもFA戦士2人の獲得に乗り出した年はある。ただ最優先の三浦に加え、メジャーや国内球団との争奪戦となる川上まで狙えば獲得費用はかさむ。沼沢本部長は「(坂井)オーナー側からも思い切っていけと言ってもらっている。上限はもちろんあるが」とし、青天井では臨めない。

 三浦がFA宣言した場合は3年8億円を基本線に、上積みを検討している。川上は今季年俸が3億4000万円と高額で、用意できるのは4年総額18億円まで。それもメジャー球団が本腰を入れれば太刀打ちできない背景がある。

 球団首脳は「昨年の福留選手のようなアタックはできない」とし、昨オフに第1回交渉で早々と撤退を決めた福留の二の舞いは避けたい構えだ。一方で本命の三浦はここまで横浜残留を熟考しているが、メジャー志向は皆無。国内の争奪戦であれば関西出身の地の利もあり、勝算があると見込む。候補を一本化することで、坂井オーナーが「思い切って」と背中を押す好条件を提示できるメリットもある。引き続き川上の調査を重ねつつ、三浦を軸としたスタンスでFA補強を進める。