初交渉から一夜明けたばかりで、阪神首脳が思いも寄らぬ行動に出た。22日に獲得を狙う横浜からFA宣言した三浦大輔投手(34)がテレビ出演のため大阪に来る。この情報に、交渉役の沼沢正二球団本部長の表情は一変した。「来るの?

 連絡してみようかな。せっかくこっちに来るんだから」。手早く大阪市内のホテルの一室を確保。黒田編成部長が三浦本人と電話で話し「大丈夫ですよ」と快諾を得た。

 異例の「中1日交渉」だ。前日20日、横浜市内で第1回交渉を行い、そこで沼沢球団本部長は口説きまくって好感触をつかんだ。「昨日から毎日でもアタックすると言っていた。うれしいです。向こうから新しい話があるかは分からないけど…」。既に最長5年を見据えた3年総額11億円の条件を提示。内容を見直すことはないが、交渉後の三浦の気持ちを知ることが目的だ。

 今回は南球団社長も交渉の同席を熱望し初出馬が決定。「こちらが何かを知りたい、というよりも、彼の心を動かしたい。一大決心するのだから、悩んでいるだろう。誠意を持って臨みたい」。同社長も気持ちの思うままに、ラブコールを送るつもりだ。【田口真一郎】