投手力補強を今オフの最重要課題としていた横浜が、ブルージェイズの本格左腕、レス・ウォルロンド投手(32)と契約合意に達していたことが22日、分かった。メジャー経験こそ乏しいが、肩のスタミナに定評があり、完投能力の高い最速152キロ左腕。先発の柱、通算124勝の三浦がFA宣言して移籍が確実とみられる中、ローテーションの一角を担う投手を補強した。

 懸案だった先発の駒不足解消へ、横浜が投手補強の第1弾に動いた。本格左腕のウォルロンドの今季は、カブス、フィリーズ傘下の3Aに所属。マイナー通算28試合に登板し6勝9敗、防御率3・61の結果を残した。8月には、今季ワールドチャンピオンの座に上りつめたフィリーズでメジャー昇格も果たした逸材だ。

 メジャー通算成績は、23試合1勝4敗、防御率7・07だが、大学時代まで外野手だったこともあり、メジャー関係者の間でも「30代になってようやく頭角を現し始めた本格派」と、評価されていた存在だった。

 今年7月6日、フィリーズ傘下の3Aリハイバレーでは、リーグの今季最多17奪三振をマークした。メジャー昇格後はチーム事情から中継ぎも務めたが、最速152キロのパワー投手で、縦のカーブ、スライダーの制球にも定評がある。先発ローテーション投手が不足する横浜には、うってつけの補強戦力といえる。

 通算124勝をもたらしたエース三浦は、FA宣言して阪神との移籍交渉に臨んでいる。現時点でローテーション入りが確定しているのは、昨季のクローザーから転向する寺原のみ。来季2年目となる小林、桑原謙らの若手に頼らざるを得ない厳しい状況だ。横浜にしてみれば、投手力の補強は三浦の去就にかかわらず敢行しなければならない最重要課題。今後はウォルロンドのほか、メジャー経験のある投手を少なくとも2選手獲得する方針で交渉を進めている。