中日の23日の秋季練習(ナゴヤ球場)で“地獄のランニング”が行われた。周囲が暗くなった午後5時25分、最後の走者・中里は60周目を終えるとその場に倒れ込んだ。「勘弁してください…」。コメントすらできない。時間にして2時間15分、距離にして約21キロ。ハーフマラソンに相当するランニング量に疲労は極限に達していた。

 “地獄のランニング”はオレ竜名物だ。毎年秋季キャンプ最終日に過酷なメニューが用意されるが、今年はあと3日を残したこの日に登場。1周約360メートルのグラウンドを最低30周、紅白戦の勝敗や、成績によってペナルティーが課され、最も多かったのは中里、菊地、田中、樋口、赤坂らの60周だった。大卒2年目の田中は「未知の世界。ランナーズ・ハイが2度きました」とぐったりした表情だった。

 落合監督はグラウンドに出て選手たちが走る姿を見守り、げきを飛ばした。V奪回を狙う来季は若手にチャンスを与えると明言した。秋を底上げの機会と考えるオレ流指揮官に妥協はない。【鈴木忠平】