阪神久保田智之投手(27)が、来年1月にヤンキース井川慶投手(29)と合同自主トレを行うことを23日に明かした。先発転向を成功させるため、阪神在籍時に4度も年間200イニング以上を投げた左腕に弟子入りを志願。井川の地元である茨城・大洗でコンディション作りや投球術など「エース道」を学ぶことになった。22日にはダウン提示にも一発サインし、優等生ぶりを披露。転機の1年に、なりふり構わぬ姿勢を見せている。

 来る者は拒まない「井川塾」に思わぬ受講生が現れた。先発に転向する久保田がその門をたたいた。「先発の勉強のため、僕の方からお願いしました」。この日、西宮市のクラブハウスで練習に励んだ後、新年のプランを打ち明けた。1学年先輩のヤンキース井川に弟子入りし、合同自主トレを行う計画だ。JFKの一員で、すでに実績のある右腕が頭を下げて、教えを請う。練習風景としては、異例の構図と言える。

 久保田の情熱は本物だった。今オフは、しきりに先発への意欲を漏らし、連日のように練習場に足を運んでいる。22日の契約交渉でも、両リーグ最多登板、最優秀中継ぎ賞を獲得したにもかかわらず、推定1000万円ダウンの提示を飲んだ。「職場環境」の変わる来季に向け、今年中に更改したい気持ちがあった。すべてはまっさらなマウンドに立つためだ。次に起こしたアクションが、OB左腕への接近だった。「長いイニングをずっと投げている。そういうことを聞きたいですね」。井川は01年から6年連続でチームの最多登板回を記録した。特筆すべきは、その中で4度も年間200イニングを投げているということ。タフネス右腕の久保田にも、この数値はひとつの目安になる。ノウハウを学ぶために、井川にアプローチし、快諾を得た。

 もちろん、教わることはひとつではない。井川はチェンジアップを武器に主戦投手の階段を駆け上がった。「(球種は)人それぞれでしょうけど、それも含めて」。投球術やコンディション作りなど聞きたいことは山ほどある。久保田はこれまで1月は、米国や沖縄先乗りトレーニングを経験。毎年、試行錯誤を続けてきたが、井川と一緒に練習するのは今回が初めて。年明けに、茨城・大洗で10日前後の日程を消化し、キャンプ地の沖縄に乗り込む方針だ。

 「井川塾」からは左腕岩田が先発ローテーションを担う投手に成長し、実績ができた。今オフは、来季2年目の清原大貴投手(18)の参加が決まっている。大物右腕の加入で熱気が増すことは間違いない。「エース道」を受け継ぎ、久保田が真弓阪神の軸になる可能性は大だ。【田口真一郎】

 [2008年12月24日11時38分

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