日本ハム梨田昌孝監督(55)が23日、巨人から移籍した林昌範投手(25)の起用法について、まずは先発を優先する考えを明かした。新守護神候補筆頭と目されていたが、昨季不安定だった左の先発を確立したい意向に加え、先発の調整からストッパーに回ることが逆の転向よりも容易であることから、先発投手としてキャンプをスタートさせるつもりだ。

 この日、札幌ドームを訪れた梨田監督は、林について「先発でやらせておいて、どこかで方向転換してもいいかな。最初から抑えとなると、球数も抑えて調整してしまう。(ブルペンで)球数を稼がせた方がいいかなと思っているから」と見通しを話した。来月の沖縄・名護キャンプでは、ダルビッシュ、スウィーニーらとともに、まずは先発ローテを狙って調整する。

 巨人時代の05年に18セーブを挙げた林は、昨年11月の入団会見で「マイケルさんが抜けたので、その穴を埋められれば」と新守護神に立候補した。その後「抑えをやるなら上原さんの数字(32セーブ=07年)は超えたい」とも話し、梨田監督にも直接「先発だけは厳しい」と伝えていた。しかし指揮官は「スタミナはつけてもらいたい。先発という形でいって、ほかのピッチャーの状態も見ながら」と考えている。

 抑えの調整を進めていた投手が先発に転向するのは難しいが、その逆は比較的容易であることもポイントの1つ。武田久、建山、江尻、菊地、ダースら、守護神候補投手の適性、状態を見極めながら、林の起用法を探っていく考えだ。

 左の先発を確立させたい思惑もある。昨季は武田勝が故障で離脱。藤井、吉川らは不調で力を発揮できなかった。別の投手で抑えのメドが立てば、林を先発ローテの一角として起用することが可能。どちらも任せられるオールラウンダーとして、期待が大きい。【本間翼】

 [2009年1月24日11時28分

 紙面から]ソーシャルブックマーク