ロッテのボビー・バレンタイン監督(58)が涙で日本一を誓った。25日、米国からの航空機で成田空港に到着。昨年12月に球団から今季限りでの退任を言い渡されて以来の来日に、空港にはロッテのユニホームに身をつつんだ約200人のファンが詰め掛けた。

 ボビーの応援歌を大合唱し、「ボビー残留」と書かれたボードを手にする熱狂的な男性の姿もあった。空港内が異様な熱気に包まれる中、ファンと抱き合い、握手を交わしながら花道を歩いたボビーは、思わず目頭を押さえ感極まった。「胸がいっぱいで、言葉が出てこない。足に力が入らず、胃も震える感じだった。夢でも見ることができなかった。皆さんを食事に誘って感謝の気持ちを伝えたいくらいだ」と涙を浮かべ興奮気味に話した。

 昨年12月に重光オーナー、重光オーナー代行、瀬戸山球団社長が3者会談を行い、抜本的チーム改革に着手し、赤字削減とフロント主導の運営を目指す方針を固めた。04年から続いた第2次バレンタイン政権にも区切りをつけることを決定し、異例ともいえるシーズン前に今季限りでの勇退を発表した。

 その後、監督から反論やフロント批判は出なかったものの、突然の発表に戸惑いを隠せなかった。それだけにファンの激励は何よりの発奮材料だ。最終年に臨む心境を聞かれ、「この絶大な力を借りて、最後の戦いを始めたい。自分自身も選手もベストを尽くし、ファンの皆さんには常に幸せな気持ちでいてもらいたい」と力強く優勝宣言。有終の美を飾るべく、ただならぬ覚悟でスタートを切った。【鳥谷越直子】

 [2009年1月26日8時23分

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