中日の新外国人トニ・ブランコ内野手(28=ロッキーズ2A)が28日、中部国際空港便で来日した。4番ファーストを希望し、30本塁打を目標に設定。年俸は昨季限りで退団したタイロン・ウッズ内野手(39)の6億円の22分の1に満たない30万ドル(約2700万円)だが「ウッズのようになりたい」と話した。ネルソン・パヤノ投手(26=マリナーズ2A)、2年目トマス・デラロサ内野手(32)、マキシモ・ネルソン投手(26)も来日。4選手は30日に沖縄入りする。

 新外国人ブランコは赤いTシャツに茶の皮ジャケットを羽織り、グッチのシューズでビシッときめて到着ゲートに現れた。元メジャーリーガーのプライドをのぞかせ、控えめな言い回しながら高い目標を掲げた。

 「自分は本塁打や打点を挙げるタイプ。監督が決めることだけど4番か5番を打ちたい。一塁、左翼、三塁を守れるけど希望はファースト。神様が許してくれるなら30発は打ちたいね」

 思い描くのは昨年までの主砲ウッズ並みの活躍だ。球団関係者から受け取ったガイドブックで日本での実績を知ったという。日本でラストイヤーとなった昨季は年俸6億円で、今季年俸30万ドル(約2700万円)のブランコには遠い存在。だがウッズもメジャーを経験せずに韓国、日本を渡り歩くなど米球界のエリートではない。同じような成功を思い描き「タイロンみたいになりたいと思っている。1軍で5、6年はやりたい」と話した。

 準備は進めている。オフに参加したドミニカ共和国のウインターリーグで、元西武、巨人で「マルちゃん」と親しまれたマルチネス打撃コーチから日本野球の特徴をインプット。細かなアドバイスをもらった。「選手やチームについてはよくわからないけど、日本人投手はフォーク系のボールで攻めてきて、制球がいいらしいね」。ウインターリーグで顔を合わせた中日川井や前田とも話をしたという。

 だまってポジションを与えられるとは思っていない。メジャーに定着できなかった米国時代から、チーム内競争には慣れている。「自分にとってもチャンスがあるということ。グラウンドで結果を出したい」。キャンプで状態を上げ、オープン戦で結果を出した上でラインアップに名を連ねるつもりだ。

 それにしても、本当に30本塁打を打てば、高年俸のウッズを切った中日にとってはおいしい買い物。格安の「ドミニカン・ウッズ」が、日本一奪回のカギをにぎるかも…?【村野

 森】

 [2009年1月29日9時40分

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