阪神の投げ込み王、久保田智之投手(27)が「温存作戦」で先発ローテ入り争いトップ合格を誓った。沖縄・宜野座での合同自主トレ2日目の28日、参加する他の投手全員が2日続けてブルペン投球を行った中、久保田だけは2日続けてブルペン入りを見送り。4連投で、合計408球を投げ込んだ昨年の合同自主トレとは対照的な調整法。それも真弓明信監督(55)が見守る前でアピールするための「秘策」だった。
先発転向へ向けた、本気の表れだ。「投げ込み王」の異名を誇る久保田が、合同自主トレ2日目もブルペンに入ることはなかった。「自分の状態を見て、そんなに無理することもないかなと。WBCに出るわけでもないし。焦ることはない」。自信満々に言い切った裏には、久保田なりの考えが込められていた。
昨年の合同自主トレでは、4日連続ブルペン入り。408球を投げ込んでキャンプインした。一昨年前の合同自主トレでも、初日は66球を投げた。ここ数年、セットアッパーとしての地位を確立してきた右腕は、投げ込むことで肩を作り上げてきたが「今(ブルペンで)投げてキャンプ前に肩が張って、監督、コーチが見てる前で投げられなかったら困る」とアピールどころを冷静に判断。先発ローテ争い生き残りへ、マイペース調整を決め込んだ。
もちろん、キャンプインに向けた準備は着々と進めている。この日は全投手がブルペン投球を終えた後、ブルペン捕手をつかまえて室内練習場で立ち投げを敢行。全力ではないが、球の回転に気を配りながら、30球投げた。ウオーミングアップ後のキャッチボールでも、約20分に渡って右肩周辺の入念なストレッチを受けるなど、慎重な姿が見受けられた。
「せっかくのチャンスなので、無理して痛めたら(先発転向が)台無しに終わるから」。久保田の目指す先発枠は安藤、下柳、岩田の3人が確定。残りの3枠を金村暁、福原、上園、石川、白仁田、黒田らと争うことになる。激しい競争が予想されるが「トップ合格できるように頑張る」と自らに言い聞かせた。目先の結果にとらわれないあたりは、すでに先発としての自覚が備わっている証拠。久保田は「投げ込み王」の冠を外し、マイペース調整で悲願の先発入りを目指す。【石田泰隆】
[2009年1月29日10時51分
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