横浜工藤公康投手(45)が「ナリ」で投げられず猛省だ。沖縄・宜野湾キャンプ第2クール初日の6日、今キャンプ初のブルペン入りで捕手を立たせたまま50球。肩で息をしながら、自分の投球にだめ出しする場面が随所に見られた。「遠投はいい。そこ(ブルペン)に行くと『ナリ』で投げられない」と工藤流の表現で首をかしげた。

 ナリで投げる-。「体が止まっちゃうんだよね。上(半身)が勝ってしまう。自分の芯(しん)になる部分がぶれないようにしないと。力んで投げると体の周り(外側)が疲れる」と話す。キャンプ初日の1日に左足ふくらはぎ痛を訴え、思うように下半身が使えない。粘りが出てくれば体を回してリリースができる。「動かしていいのはトップをつくるまで」と、使われるはずのない筋肉を使ってしまっていることを課題とした。

 だが苦しんできた左ひじ痛は問題ない。「オフだけで(遠投など)5000球は投げてきた」と、上半身の仕上がりに自信をのぞかせた。5000球が築いてきたキャンプ最初の50球。28年目でも自らを律する厳しさこそが、完全復活の基盤となる。【今井貴久】

 [2009年2月7日8時58分

 紙面から]ソーシャルブックマーク