サムライ・ジャパンに“リベンジ”だ。WBC日本代表の最終メンバーから漏れた西武岸孝之投手(24)が、28日に行う同代表との強化試合への登板を直訴した。宮崎・南郷キャンプに復帰した24日、約130球のブルペン投球。渡辺監督は「本当は心配だったけど、おそろしいボールを投げていた。最高の状態。負けず嫌いの岸くんがやってくれるでしょう」と日本戦の中継ぎ起用を決めた。

 落選のショックは、全力でミットにぶつけた。慣れたチーム公式球を使った岸は「やっぱり投げやすい」と感覚を取り戻した。苦戦したWBC使用球とは見違える内容に、渡辺監督は「ボールのキレが違う。水を得た魚のようだった」と絶賛。打者役を左打席に多く立たせて投げたのは左打者が並ぶ日本戦を想定してのものだった。

 WBCの屈辱は“WBC”で癒やした。宿舎に合流した前夜、仲間と通信対戦ゲームを楽しんだ。チーム内で流行するニンテンドーDS「ボンバーマン」で遊ぶ時、「WBC(ワールド・ボンバーマン・クラシック)やるぞ」と声をかけ合う。石井一は「西武版WBCで岸は3本柱です」と温かく迎え入れた。

 落選の悔しさは、自分で予想していた以上だった。「珍しく、自分に欲が出てきたと思います。開幕投手?

 そっちのほうで頑張ります」。大役を目指す第1歩として、日本戦でWBCに区切りをつける。【柴田猛夫】

 [2009年2月25日8時56分

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