オープン戦首位でフィニッシュした秋山ホークスが、アクシデントに見舞われた。右肩を痛めているソフトバンク多村仁外野手(32)が、4月3日のオリックスとのシーズン開幕戦(福岡ヤフードーム)に間に合わない可能性が29日、出てきた。秋山幸二監督(46)が、多村の開幕戦出場が微妙であることを示唆。DH起用の選択肢は残されているが、主軸の一角を欠く船出となれば影響は免れない。

 好調なチーム成績とは裏腹に秋山ホークスが窮地に立たされている。この日の試合後、報道陣に多村の現状について問われた秋山監督の表情が曇った。「どうだろうね。開幕に間に合う?

 開幕、どうだろうね」。明言を避けたものの、秋山監督は多村の開幕戦出場が微妙な状態であることをにおわせた。

 発端は25日阪神戦でのプレーだった。多村は4回裏の2打席目に左中間二塁打を放った。その後、帰塁した際に右肩を痛め、5回表の守備から交代。前日28日の広島戦では4番DHでスタメン出場して戦列復帰を果たしたが、2打席で退いていた。この日はフリー打撃練習だけでなく、キャッチボールも行わず、試合も欠場した。森脇ヘッドコーチは「数日間様子を見てから」と言葉を濁したが、スローイングが難しい状況のようだ。近日中に病院で検査を受ける可能性もあり、検査結果次第では開幕1軍すら危うい状況に陥る。

 横浜時代の04年に40本塁打を放つなど通算127本塁打を誇る大砲の離脱となれば、開幕ダッシュに暗雲が漂うことになる。多村は昨年右足ひ骨骨折で39試合出場に終わったが、巻き返しを期して今季順調な調整をみせていた。オープン戦で打率3割3厘、2本塁打。4番松中、5番小久保のクリーンアップに続く得点源として首脳陣の期待も大きかっただけに、多村不在となれば、軌道修正を余儀なくされる。

 もちろん、DH起用での開幕戦出場の選択肢は残されている。31日からの全体練習にも参加する予定。ただ、シーズン通じての活躍を重視し、治療を最優先する方針を選択すれば、開幕戦オーダーに多村の名前が連なる可能性は低くなる。

 [2009年3月30日11時27分

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