<ロッテ10-5西武>◇4日◇千葉マリン

 タイムがかかると、ロッテ西岡剛内野手(24)はネクストサークルの井口資仁内野手(34)に歩み寄った。自分の調子がつかめず弱気になっていた。1点を追う5回1死一、三塁。チャンスにもかかわらず「打てなかったらカバーしてください」と思わず口にしていた。「そんなこと言わずに思い切り振ってこい」。シンプルな井口の言葉に、ハッと我に返った西岡は初球から振っていった。西武帆足の3球目、沈む難しい球をとらえると左中間への逆転2点適時二塁打となった。

 ともに2打点ずつを挙げ、2人が中心となって試合をひっくり返した。井口のIと剛のTで、西岡自ら「IT革命を起こす」と名付けたコンビが機能した。開幕前、こうならなければいけないことを意識しながら西岡は井口に提案していた。「IT革命のTシャツをつくりましょう。ぼくが7割方デザインしますんで」。井口も「任せるよ」と同調し、結束はさらに固まっていた。

 今季、何度となくロッテを勝利に導くであろうITの力での初勝利。「いいアドバイスがあったり、今日のヒーローは井口さん。2人でお立ち台に立ちたかったんですが、照れて来なかったので、次は一緒に上がりたい」と西岡が言えば、井口も「今日はコツコツ打っただけ。もっと爆発した時に上がりますよ」と頼もしく言い切った。2人が並んでお立ち台に上がるまで、そんなに時間は必要ないかもしれない。【竹内智信】

 [2009年4月5日8時27分

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