<中日0-2広島>◇5日◇ナゴヤドーム
ベテランの好走塁が勝利の決め手だ。プロ21年目の広島石井琢朗内野手(38)が5日中日戦で、巧みな走塁を披露して勝利へと導いた。1点リードした2回1死。一走として、石原の一ゴロの間に三塁に到達。大竹の左前への加点タイムリーの呼び水になった。首脳陣も勝負の行方を左右するプレーを絶賛。この日は、大竹寛投手(25)が先発して7回無失点の好投。今季2勝目を挙げ、チームも勝率5割に戻した。
一瞬の集中力で、勝負の流れを引き寄せた。百戦錬磨の石井が相手のスキを突くビッグプレーを見せた。2回1死。一塁走者としてエンドランのサインでスタートを切る。石原の打球は高くはずむ一塁へのゴロ。捕った一塁ブランコの動きを見て、猛ダッシュ。スピードに乗って、三塁を陥れた。
石井
高いバウンドで(ブランコが)捕ったときに二塁ベースに着いていた。ファーストが背中を向けて一塁ベースに行っていたから。行けるかなって。二塁に止まっても(外野が)前に来る。ワンヒットで点が入らない場面だしね。
正確な状況判断で進塁した直後には投手大竹の左前打で生還。それでも「結果論だけどね」とサラリと笑う。この日は随所にベテランらしさが表れていた。高内野守備走塁コーチは「(走塁で)二ついいところがあった。2回は(ブランコが)背中を見せていた。2つ目は4回だ。(左翼)和田の返球のときに、うまい具合に一塁ミット側に体が向いていた」と説明していた。
4回は石原の左飛で、一走としてハーフウエーを超えて二塁をうかがう姿勢を見せた。帰塁する際に和田の送球を誘う。期せずして自らの体に当たり、二塁への進塁に成功した。したたかなプレーでどん欲に先の塁を狙う。
単身赴任の生活が長く続くが、ゴールデンウイークはパパの顔になった。4日まで、詩織夫人や愛娘2人とともに広島で過ごした。「昨日、帰っちゃったけど。今日は男の子の日だからね」。そう話すが、故郷栃木の“琢朗チルドレン”が大喜びしたのは間違いない。「琢朗アスレチックアカデミー」(TAA)をプロデュースしており、佐野市などで幼稚園児や小学生を対象に、スポーツの素晴らしさを伝える。この日も、センセイ自ら体を張って野球の醍醐味を伝えた。
チームは接戦を制して、勝率5割に戻した。機動力で勝ち取った1勝。石井は「そういうのがカープの野球だと思っていますので」と胸を張る。この日は右前打を放つなど、打撃も上向き。球界屈指のリードオフマンが、本領を発揮し始めた。【酒井俊作】
[2009年5月6日10時56分
紙面から]ソーシャルブックマーク




