<楽天1-7巨人>◇23日◇Kスタ宮城
巨人内海哲也投手(27)がついに勝った。楽天戦で今季8度目の先発、7回6安打無失点5奪三振の好投で初勝利だ。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)後の不調に悩み、屈辱の中でファームから再調整してきたことが実を結んだ。打線は楽天のエース岩隈に集中打を浴びせて攻略した。「岩隈打ち&左腕エース内海復活」でまた巨人が加速し始めた。
仙台の夜空と対照的な白い歯がこぼれた。内海は観客に投げかけたウイニングボールをソッとポケットに忍ばせた。「嫁さんに渡してあげたい」。今季初勝利の記念球だけは、支えてくれた妻聡子さん(26)にささげると決めていた。
原点に立ち返った。最速は145キロ。7回にも142キロを計測するなど、直球で押しまくった。走者を二塁に背負った2回、4回はともに塩川を直球でねじ伏せた。「真っすぐがブルペンから良かったんで」。7回6安打無失点。6回を除き、毎回走者を許したが、粘り強くピンチを切り抜けた。
不調から5日に出場選手登録を抹消された。2軍での調整中、1度だけ家族をジャイアンツ球場に招待したことがあった。調子を崩し、家庭内の空気を暗くしていたことを痛感。気分転換も込めて、練習が終わったグラウンドの片隅で長男瑛太君(1)、妻聡子さんと一家だんらんの時間を過ごした。
内海
家にいると、奥さんがすごく気を使ってくれているのがわかるんですよね。あえて野球の話はしないとか。それがすごく伝わってきて…。オレは何してんねやと。情けない。でも、自分はマウンドで取り返すしかないですから。
苦しかった時の支えは何だったのかという問いに、内海はこう返した。「やっぱり家族ですね。負けても負けてもでしたが、変わらずに励ましてくれた。(家族の)支えがなかったら今の僕はないです」と、心から感謝の言葉を並べた。
進化の時を迎えている。07年に奪三振王を獲得した左腕も、今季は1試合で2ケタ奪三振はなし。実は、WBC使用球と国内球の違いが少なからず影響している。内海のチェンジアップは、中指、薬指、小指でボールをなぞるようにして落とす。「まだ微妙な感覚が違うんですよね」と漏らすが、伝家の宝刀が本調子で無くても、抑え込む投球術を身に付けた。
楽天戦は6戦5勝。エース岩隈相手に堂々と投げ勝った。「長かったですね。やっと1勝できたので、これからも勝てるように頑張っていきたい」。チームは交流戦2連勝。内海の復調が、チームに再び勢いをもたらした。【久保賢吾】
[2009年5月24日9時4分
紙面から]ソーシャルブックマーク



