<日本ハム10-11中日>◇14日◇札幌ドーム

 やっぱり頼りは岩瀬だけ?

 今季無傷の5勝目を挙げた中日川井雄太投手(28)はまるで敗戦投手のような表情だった。「立ち上がり、リズムに乗れず野手のみなさんに迷惑をかけた。(全体的に)ボールが高めに浮いた。負け投手になると思った…」。初回に6安打を浴びて4点を献上。その後は粘り強い投球で無失点に抑えたが、6回11安打6失点。吉見、朝倉に並ぶチームトップの5勝目を挙げた左腕に笑顔はなかった。

 粘投を見せた川井に対し、森バッテリーチーフコーチは「(2回以降、立ち直ったことについて)そこが大事だろ。昨日の投手(山本昌)とは違う」と及第点を与えた。しかし、指揮官は違った。落合監督は「やっぱり岩瀬だよ。うちのチームは。やっぱり岩瀬しかいない」。9回を3人で抑えた守護神の名前を2度繰り返し、穏やかな表情でバスに乗り込んだ。

 無理はない。12日に1軍合流した2番手山井は1回3安打2失点。「打たれたというより、四球ですね。力みがあった」と山井は悔しさをにじませた。続く6日ぶりの登板した3番手浅尾も糸井の2ランを含む1回3安打2失点…。岩瀬の安定感だけが際立った。オレ流投手陣にとって新たな課題が浮き彫りとなった。【桝井聡】

 [2009年6月15日10時12分

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