<広島2-3中日>◇26日◇マツダスタジアム

 ルイスが度肝を抜く1発だ。広島コルビー・ルイス投手(29)が、26日の中日戦でレフトスタンド後方の防御ネットを直撃する推定飛距離150メートル弾を放った。これは新球場マツダスタジアムでの最長飛距離となり、今季1号となる豪快な1発だった。このアーチで同点とし、さらに栗原の本塁打で一時は勝ち越したが、最後は守護神永川が打たれ、中日との3連戦初戦に痛恨の1敗を喫した。

 本職の野手がかすんでしまうほどの1発だった。6回、中日朝倉のストレートを、ルイスは思い切り振り抜いた。「まっすぐに絞って、1、2、3で振ったら、振ったところにボールが来た」。

 打った瞬間ホームランと分かる豪快な当たりは、スタンドには飛び込まなかった。左翼席を越え、その上の通路も越え、その後方に設置されている防御ネットを直撃。飛距離は、推定150メートル。新球場マツダスタジアムが開場してから、ルイスで通算30本目のアーチだったが、6日にソフトバンク田上が放った140メートルを超える同球場最長弾となった。ルイスは「ラッキーなスイングだったよ。気持ちよかったね」と笑った。

 先発投手としても仕事をきっちりこなした。2回にブランコに先制ソロを浴びたが、それ以外は中日打線をほぼ完ぺきに料理。7回を投げ2安打5奪三振。4月10日の対戦では自己ワースト9失点でKOされた相手に、しっかりとリベンジしてみせた。「まっすぐの制球が良かったのもあるけど、相手も早めに打ってきていたからね。今日はとてもいい出来だったよ」と自画自賛するほどだ。

 しかし、最後は守護神永川が森野に逆転2ランを浴びて敗れた。ルイスは昨年も2本の本塁打を放っているが、実はいずれも負けている。この日の記録的飛距離のアーチも空砲に終わり「自分が打つと負けてしまう。これは何かのたたりかもしれないね」とため息をついた。

 ルイスの投打での大活躍も空しく、クライマックスシリーズ進出を争うライバル中日との3連戦初戦を落とした。ブラウン監督もガックリだ。「ルイスはいい投球をしていたのに、彼に勝ちがつかなかったのは残念だ」。リーグ戦再開のゲームは、ショックの残る一戦となってしまった。【高垣

 誠】

 [2009年6月27日12時52分

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