<阪神5-4中日>◇14日◇甲子園

 中日先発中田賢一投手(27)が7回、阪神打線につかまり、今季2敗目。首位巨人が2位ヤクルトに勝ったため、単独2位に浮上するチャンスだったが、8日ヤクルト戦に続き、4月27日以来となる2位返り咲きはならなかった。チームの連勝も3でストップ。きょう15日の阪神戦で三度、単独2位浮上を狙う。

 悔やまれる1球だった。新井、狩野に安打を許し、1死一、二塁のピンチで代打桧山に勝ち越しとなる左中間への適時二塁打を許した。フルカウントから変化球を2球ファウルで粘られた後の8球目、真ん中に入った147キロ直球を運ばれた。

 「インの真っすぐがシュートして真ん中に甘く入ってしまった」。1度セットポジションを外し、谷繁がマウンドに歩み寄った直後の1球。「タイミングの問題。間を取りたかった」。だが、仕切り直しで投げた、この日一番の勝負どころでの1球は失投に。走者を残して降板した。さらに救援したパヤノも犠飛を許し、結果的に試合を決めた5失点目を献上した。

 4回の3失点も重く響いた。先頭の関本に死球をぶつけ、1死から金本に四球。「死球と四球、どちらか1つだったらよかったんですが…。死球は攻めにいっての結果だけど、もう少しうまいこと投げられた。もったいない」。続くブラゼルにもカウントを不利にして右翼線二塁打。攻めの投球ができず、1度はつかみかけていた白星を手放してしまった。

 1点差での敗戦に、落合監督は「よく粘ったんじゃないの?

 打つ方も投げる方も」と、さばさばした表情。「いいんじゃないの?

 あれくらい投げられれば。先は長いんだから。1イニングに2点、3点取られるのを、どうやって少なくしていくかだ」と、かつての虎キラーに完全復活をうながした。【福岡吉央】

 [2009年7月15日11時41分

 紙面から]ソーシャルブックマーク