<ヤクルト4-2中日>◇1日◇神宮

 中日立浪和義内野手(39)がプロ野球7人目の通算1万打席に到達した。ヤクルト戦1-1の7回1死満塁での代打だったが、遊ゴロ併殺打に倒れ、メモリアルを飾れなかった。「過去何人いるんですか?

 記録はありがたいけど、勝てんかったのがね…。ああいうところで打てば流れも変わるんだけど」。絶好機に凡退しての敗戦に、表情は曇った。

 1打席1打席を着実に積み重ねての大台到達だった。PL学園から87年にドラフト1位で中日入りし、1年目の88年4月8日の大洋との開幕戦(ナゴヤ球場)に遊撃でスタメン出場。以来、右肩、ひざ、腰など幾多の故障を乗り越え、チームの顔であり続けた。遊撃から三塁にコンバートされ、左翼も守り、06年途中から代打専任と役割が変わっても、魂を込めて打席に立ってきた。

 本当はもっと早く到達してもよかった。実は今季、交流戦でフル出場するため準備を進めていた。若手の指導に心血を注ぐかたわら、早出して走り込みコンディションを整えた。だが、交流戦直前の5月17日横浜戦(ナゴヤドーム)で走塁中に左太ももを痛めた。満足に走れないほどダメージがあった。それでも、もう1度「代打専任」に気持ちを切り替え、選手兼任コーチの仕事を全うしてきた。回り道に見えても着実に進む。それがミスタードラゴンズの真骨頂だ。

 あと1安打で巨人長嶋茂雄終身名誉監督の2471安打に並び、史上7位タイとなる。「また明日、がんばります」。現役生活はあと3カ月あまり。いつものように「次の1打席」に向け気持ちを切り替えた。【村野

 森】

 [2009年8月2日11時45分

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