<巨人5-3中日>◇23日◇東京ドーム

 巨人坂本勇人内野手(20)が、歓喜のビールかけで優勝を祝った。昨年は未成年だったために、炭酸水でのVシャワーだった。2年越しの夢を体いっぱいで感じた。今季は5月上旬から「1番遊撃」で出場し、不動の切り込み隊長に成長した。腰痛で3試合欠場したが、打率3割1分4厘、18本塁打を放ち、強力打線のリードオフマンを全うした。

 歓喜のビールシャワーを体全体で受け止めた。巨人坂本はアルコールの香りに喜びを爆発。先輩からの手荒い祝福に、ハイテンションで応え続けた。昨年、口にはビールジョッキにバツのついたイラスト付きマスク、肩からは「ビールをかけないでください」と書かれたタスキをして参加していた。「口だけじゃなくて、皮膚からも吸収したい。ワクワクしてます」。前夜語ったビールかけへの思いを体現した。

 この日も、攻守で勝利に貢献。打撃では3回に内野安打を放ち、7回には犠打を成功させた。守備では6度の守備機会を堅実に処理した。「結果が良くても、悪くても、試合に出られる喜びを感じてプレーしなさい」(原監督)。2年目の昨年、スタメンに抜てきしてくれた指揮官からの言葉を忠実に守り続けた。

 出場への思いが、体を突き動かした。昨季終了後、自らの1年を思い返した。「すごく疲れを感じた時期があったんです。疲れとどう向き合うか、来年の課題だと思いました」。救いの手を差しのべてくれたのが、高橋由だった。「勇人、何か体のケアしてる?

 紹介しようか」と声を掛けてくれた。試合のない休養日、治療院へ通うことが日課になった。「人間の体って同じ動きをしていると、ズレが生じてくるらしいんです。それを和らげるために通っています」。華々しい活躍の裏には、日々の鍛錬がある。

 正念場は7月のオールスター前だった。持病の腰痛が悪化し、3試合を欠場。昨年から続いていたスタメン出場は途切れた。「食事中にはしを持っていた手が、つったんですよね。疲れなんですかねぇ。笑っちゃいましたよ」。万全にケアを施しても、疲労感が体を襲ってきた。

 疲労と戦いながら後半戦はグラウンドに立ち続けた。「体が痛くない人なんていない。若い僕が休んでられないですよ」。1番を任された男の決意だった。「思い切って、元気に、楽しく。これから先の試合をやっていきたい」。坂本勇人。20歳。新たな黄金期を、その手で切り開く。【久保賢吾】

 [2009年9月24日8時14分

 紙面から]ソーシャルブックマーク