<横浜0-3広島>◇5日◇横浜

 “野村カープ”に朗報だ。広島コルビー・ルイス投手(30)が来季も広島でのプレーを望んでいることが5日、明らかになった。この日の横浜戦で7回無失点、10奪三振の快投で今季11勝目をマークした右腕は、2年連続での奪三振王も確定的。2年連続2ケタ勝利と安定感抜群の右腕が残留すれば、新監督就任が確実な野村謙二郎氏(43=野球評論家)のもと再建を目指す広島にとって何より心強い存在になる。

 コイの頼れる助っ投が、広島残留を熱望していることが分かった。ルイスはこの日の登板後「もちろん来年も広島に戻って来たいと思っている。これからの2カ月間で、契約の話をしたい。しっかり体もつくりたい」と笑顔で話した。ラロッカ、シーツら広島で活躍した外国人選手は他球団に流出する傾向にあるが、ルイスに関しては心配なさそうだ。

 4年間のブラウン監督体制から、今季終了後には野村氏に新監督就任を要請する方針。野村氏も受諾する方向で、来季は新体制で臨むことになる。広島の先発投手陣は大竹、前田健、斉藤、今井ら若手が順調に育っているが、投手陣の柱としてルイスの存在は大きい。残留が決まれば、12年連続Bクラスから脱却し、来季こそCS進出を狙う“野村カープ”にとって、これ以上ない朗報となる。

 この日が今季最終登板となるルイスは、最下位横浜を寄せ付けず、7回を6安打無失点に抑える余裕のピッチングで今季11勝目をマークした。打っても7回に横浜スタジアムの場外へ、推定距離145メートルの特大3号ソロを放って、自らのバットでも勝利をたぐり寄せた。ルイスは「昨年も最終登板が横浜だったがいい投球ができなかった。だからしっかり投げようと思ったんだ」と満足げに振り返った。

 ルイスは昨季、来日1年目でローテーションの柱となり、チーム最多の15勝を挙げたほか、三振も183個を奪って同タイトルも獲得。防御率のタイトルこそわずかな差で逃したが、一躍エースとなった。

 2年目の今季は、開幕投手も務めた。打線の援護に恵まれず昨季ほど勝ち星は伸びなかったが、シーズン終盤には中4日で登板するなどフル回転。広島の外国人投手としては初めて2年連続2ケタ勝利を挙げたほか、奪三振もこの日10個を加え、今季通算186個とし、2位の阪神能見(150個)以下を大きく引き離して2年連続での奪三振タイトル獲得も確定的。残留すれば、来季も頼れるエースとしてファンの熱い期待を集めそうだ。

 [2009年10月6日9時36分

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