阪神城島が誕生した。元マリナーズ城島健司捕手(33)が13日、大阪市内のホテルで阪神と正式契約を交わした。契約は4年総額20億円プラス出来高で、背番号「2」。城島は南社長、真弓監督が同席した入団会見で(1)逃げない(2)休まない(3)変わらないの3カ条を宣言した。非難を正面から受け止め、フルイニング出場を目指し、日米で培った「ジョー流」を貫く覚悟。来季は打撃3部門の自己記録更新を目指し、暴れ回る。(金額は推定)

 光輝く壇上で、少し照れた。城島は、初めてタテジマのユニホームに袖を通し帽子をかぶった。真新しい水平な帽子のつばを折り曲げて「似合ってない?

 似合わない?」と言った。福岡、シアトル、そして関西。「人生3度目の入団会見で、慣れたといえば慣れた」と語った33歳だが、晴れ舞台で高揚感を漂わせた。

 4年総額20億円プラス出来高の背番号2。大型契約の金額以上に大きな変化をチームにもたらす存在だ。優勝戦力として期待される捕手にして右の強打者は、阪神での所信を表明した。

 (1)逃げない

 チームに逆風が吹く時に「(報道で)自分の名前が出てピッチャーを少しでも助けられるならそれも僕の仕事。悪い時こそ前面に立って、一番先頭に立って、そういうもの(批判)をがっちり受け止めていきたい」。投手が伸びやかに成長できるように矢面に立つ覚悟だ。「自分が好きで注目されるところに来た。その時だけ逃げるという勝手なことはできないでしょう」と口にした。

 (2)休まない

 目標にはダイエー時代の03年以来となる全試合フルイニング出場を掲げた。「いいお手本で全イニングに出ている金本さんがいますし」。全試合に出て、良い時でも悪い時でも投手と向き合い、信頼関係を構築する。「マウンドで(投手を)孤独にしたくない。1人のバッターに2人で向かっていく。2人で反省して2人で喜ぶ。そのスタイルを貫きたい」。

 (3)変わらない

 初めてセ・リーグでもアグレッシブな打撃を貫く。「積極的にバットを振っていくのが僕のスタイル。開幕の1打席目から甘い球がくれば振る準備はできています」。オフのトレーニングも例年通りに10月末から開始。実家がある佐世保市内でトレーニングして筋力強化。練習メニューも変えず、バットもメジャー時代と同じモデルを使って「ジョー流」を貫く。「スタイルはいまさら変えられない」と笑った。

 会見で「進歩」「成長」という言葉を繰り返した城島。打撃3部門の自己記録更新について「毎年、そのつもりです」ときっぱり。自己記録の打率3割3部8厘、36本塁打、119打点を更新すれば、3冠王も視野に入る。「虎のジョー」は「目いっぱい甲子園で暴れたいと思います」と宣言した。

 [2009年11月14日12時35分

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