ソフトバンク和田毅投手(28)が来年1月に米ハワイで自身初の海外自主トレを敢行することが25日、分かった。今年までは宮崎を拠点にしていたが、投げ込みに適した温暖な気候を求めて、海を渡ることを決断した。今季4勝に終わった悔しさを糧にして、新天地から逆襲の1年をスタートさせる。

 太平洋のド真ん中が、逆襲へのスタート地点だ。和田が来年1月の自主トレを米ハワイで行うことを決めた。自身初の海外合宿。今季4勝止まりの屈辱を晴らすべく、新たなチャレンジに打って出る。

 最も重視したのは投げ込める環境だ。「1月は投げ込みたい」。今季より2週間早い3月20日に来季が開幕することもあり、今オフは例年より1カ月前倒しでスケジュールを組んできた。投球の土台となる走り込みを12月のうちに済ませ、年明けはひたすら投げ込む。だからこそ、今年悩まされたケガを防止するためにも温暖な場所が必要だった。1月の平均気温をみると、今年までの自主トレ先だった宮崎が7度なのに対し、ハワイは20度以上。よりよい環境を求めて、海を渡る決意を固めた。

 決断の裏には意外なアシストもあった。場所を選ぶ際、参考にしたのが方位学。「南の方角はあまり良くない。東の方がいい」とヒントを得て、日本から見て東方にあたるハワイに決めたという。すべてに万全を期して、大事な1年の出発点を定めた。和田の自主トレはハードかつユニークなメニューでも有名で、過去にはカヌーやアーチェリーなどにも取り組んできた。新天地なら今まで以上に奇想天外なアイデアも期待できそうだ。

 すでに準備は着々と進んでいる。秋季キャンプでは自身初となる本格的な投げ込みを敢行。福岡に戻った後はインターバル走を中心とする走り込みに重点を置きながら、1日100球以上にも及ぶネットスローで「ひじや肩の疲労をとりながら鍛えている」。イベント出演などもセーブして、ストイックに汗を流している。すべては来季の完全復活のため。背番号21が不退転の決意で新たな道を突き進む。

 [2009年11月26日11時38分

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