【ハワイ16日(日本時間17日)=村上秀明】助っ人の穴は和製中長距離砲で埋める!

 日本ハム梨田昌孝監督(56)は、ターメル・スレッジ外野手(32)の横浜移籍発表を受け、5番打者の後釜に糸井嘉男外野手(28)を指名した。リーグ優勝の旅行先で、今季完全ブレークの走攻守そろった糸井を新クリーンアップの最有力候補に挙げた。

 ハワイ到着初日に入ってきた一報に、日本ハム梨田監督が鋭く反応した。今季主に5番だったスレッジの正式移籍が決定。パーティー前にレイ(首飾りの装飾品)を身に着けた指揮官が、真顔で助っ人の後継者を指名した。「可能性はあるね。全然おかしくない」。最右翼として指名を受けたのは糸井だった。

 中軸の一角、5番がすっぽり抜けることになった。スレッジは92試合で先発5番を任され、ポイントゲッターとなった。稲葉、高橋、スレッジが基本の中軸トリオだったが、来季は開幕まで新メンバーの人選を余儀なくされる。背番号5の小谷野らも候補だが、左右のジグザグも考慮され、糸井が本命だ。

 その中軸候補は今季、7番で最多の57試合に出場し2、3、5、6番も経験した。5番は5試合だったが、穴を埋めたこともあった。ゴールデングラブ賞だけでなく、打率3割超え、盗塁24と3拍子そろった逸材だが、今季の長打率5割2分は西武中村、ロッテ・サブロー、スレッジに続きリーグ4位。長距離砲の素質は十分ある。

 現時点で助っ人外国人野手の獲得に積極的ではなく、梨田監督は「うちの補強がどうかなというところもあるし、5番で20、30盗塁はなかなかいない」とニヤリ。打点マシン&裏1番打者の新型5番として期待した。リーグ優勝旅行に不参加だった糸井へ、約6400キロ離れたハワイから、海を越えての穴埋め指令だった。

 [2009年12月18日10時44分

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