ソフトバンク小久保裕紀内野手(38)が24日、プロ初の元日トレを行うことを明かした。「今までは動いたことはないけど、ちょっと動こうと思って。少し違ったことをやろうと思ってね」。来季17年目を迎える主将は、31日と来年1月1日に福岡ヤフードームでトレーニングを実施するという。「(体を)動かしてる方が体調もいいからね」。大ベテランが、練習漬けの年末年始を送る。

 異例の元日トレは、来季に懸ける思いの強さにほかならない。6年ぶりのV奪回を目指した今季は3位。クライマックスシリーズ第1ステージで楽天に敗れた際には、人目をはばからず大粒の涙を流した。優勝に懸ける思いは誰よりも強い。「今年は目標が果たせなかった。来季こそもう1度優勝というものを目指したい」。最年長ながら今季はチーム唯一の全試合出場。来季もフル出場し、背中でチームを優勝まで引っ張り続けるためにも、休んでる暇はないと判断した。

 来年1月5日からは恒例の米アリゾナ自主トレへ出発する。8回目の今回は伸び盛りの長谷川、明石、中村など過去最大の7人が参加予定。自主トレでも若手を引っ張り続けるため、出発日から逆算して体をいじめる。年内は29日まで、年始は3日に福岡市内のジムでトレーニングを行う。ジムの開いていない空白の期間に体を休めないように本拠地を利用する。「そうすれば(アリゾナ出発まで)ほとんど筋力が落ちない」。現在も多忙なスケジュールの合間を縫い「自主トレのための自主トレ」を欠かさず行っている。

 プロ16年間で、12シーズン100試合以上出場したが、今季は初めて20本塁打に届かなかった。「18本しか打てなかったからね。もう1度ホームランにこだわっていきたい」。来季ノルマには05年以来の30発を掲げる。「自分は不器用だから練習してここまできた」と話す通算384発のスラッガー。17年目も、がむしゃらに練習する。

 [2009年12月25日11時37分

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