中日吉見一起投手(25)が2日、帰省先の大阪・吹田市内で今季の初投げを行い、ノーワインドアップ時のフォームをキャンプまでに改造することを明かした。昨年は16勝でセ・リーグ最多勝を獲得。相手のマークが厳しくなるのは必至で「癖が分からないように、自分から変えていかないと。グローブの位置とか、いろんなバリエーションを持たないといけない」と説明した。

 きっかけは走者を背負っていない場面での被打率の高さだった。昨年は、走者なしでの被打率が2割5分3厘で、走者ありでの同2割1分8厘。走者のいない場面ではグラブをおなかの前に構え、ノーワインドアップから左腕を真っすぐ前に伸ばして投げるフォームだった。球種を絞られて狙い打ちされるケースが多かったといい、改造を決意したという。

 「走者がいない時の方が打たれていて、簡単に間を抜かれた。特にヤクルト戦では決め打ちされていたので、工夫していかないといけない」。昨年のヤクルト戦では計25回を投げ、被安打24。1勝2敗と負け越した。そこでグラブの位置や動きを変え、球種を悟られるリスクを減らし、失点減に結びつけようというのが狙いだ。グラブの色もこれまでの黄土色から、黒に変える。膨張色だと変化球の握りをグラブの中で行う際に、打者から微妙な動きが分かりやすいとされる。

 この日はランニング、キャッチボールなどを行い、約2時間に渡って体を動かした。ボールを握ったのは、昨年11月の秋季練習を終えて以来、実に42日ぶりだったが「思ったよりも投げられた」。今年の目標は「2年連続で2ケタ勝つことができたので、それを持続するというプレッシャーに打ち勝つこと」。3年連続の2ケタ勝利を目指すべく、納得の新フォームをつかみ、プロ5年目のシーズンに突入する。【福岡吉央】

 [2010年1月3日12時4分

 紙面から]ソーシャルブックマーク