エースが突然の逆風を吹き飛ばすような、快投を見せた。日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が3日、沖縄・名護キャンプ2度目のブルペン入り。フォームバランスなどを確認しながら、力強さあふれる71球の投げ込みを行い、さらに調整ペースを上げた。身近な公式カメラマンの結核感染が判明しても「大丈夫なんですかね?

 気を付けてやっていきます」と気遣う余裕も見せ、万全ぶりをアピールした。

 今季からバッテリーを組む可能性がある同い年、2年目大野を相手に熱が入った。時折、制球が乱れ、感覚がずれると「アカン!」と声を上げるほどの集中力で、ブルペンの空気を支配した。70球で切り上げる予定だったが、外角低めへ狙ったラスト1球の直球が決まらずに、1球だけ「おかわり」。笑顔も見せながらの集中力、気迫満点の内容だった。

 キャンプ初日の45球から中1日でのブルペン入り。梨田監督も終始、目を細めて見つめた。「(パ・リーグ開幕の)3月20日に合わせる準備をやっているのかな」。昨季終盤の故障に配慮して、調整ペースの乱れを恐れ、決定を保留している開幕投手を任せる可能性を示唆した。「これから球数を増やしたり(ブルペン投球の)内容を変えたりしながらやっていきます」。病魔など、どこ吹く風。ダルビッシュは順風満帆に、またギアを上げていく。【高山通史】

 [2010年2月4日10時10分

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