右肩リハビリでB組(2軍)調整中のソフトバンク新垣渚投手(29)の1軍復帰期限が、5月の「交流戦」(12日開幕)に設定された。1、2軍の首脳陣は5日までに、無理をして開幕に間に合わせるよりも完全回復を優先させる方針を確認。5月まで“猶予期間”を設けることで焦らず調整させることになった。宮崎キャンプは5日、初めてのオフ。6日から第2クールに突入する。

 交流戦で完全復活を-。地道なリハビリに取り組む新垣が、1軍復帰への“猶予期間”を与えられた。B組で調整を見守る斉藤2軍投手コーチは「中途半端な状態で(1軍へ)上げることはしない。最悪、5月に万全で上がれればいい」と説明。当初の目標としていた開幕ローテ入りに固執せず、交流戦の始まる5月をメドにして完全な回復を優先させる方針を示した。

 前日4日までの第1クールで新垣は1、3日の2回、ブルペンに入り、今年初めて捕手を座らせて投球した。「思ったより悪くはなかった」と手応えも口にする一方で「これから球数を増やしてどうなるか」と慎重な姿勢を崩さなかった。まだ5~6割程度の力で投げている段階。150キロ超の直球が武器だけに、全力投球時の肩への負担は大きく、日々の状態を見ながらの調整が続く。オフのこの日は静養に努めた。

 現在はあえて実戦復帰のスケジュールは立てていない。斉藤コーチは「キャンプ期間中に1回、全力投球ができるぐらいでいい」と見通しを示した。無理はさせない。1軍の高山投手コーチも「いてもらわないといけない投手」と前置きした上で「焦らないでやってくれればいい」と開幕ローテ入りにこだわらない方針を示唆している。

 昨季の失敗を繰り返すわけにはいかない。右ひじの手術明けだった昨年は急ピッチの調整で開幕ローテ入りまでこぎ着けたが、発熱で開幕2戦目の先発を緊急回避。本来の調子を取り戻せないまま、7月に右肩を痛めた。以後はリハビリ生活を余儀なくされ、自身初の未勝利に終わった。

 もちろん1軍復帰は早いに越したことはない。斉藤コーチも「すべてが順調にいけば、開幕に間に合う可能性もなくはない。本人はそのつもりでやっているはず」と話す。だが、あくまでも目指すのは完全復活。ゆっくりでも着実に、新垣が復帰への階段を上がっていく。

 [2010年2月6日12時16分

 紙面から]ソーシャルブックマーク