昨年10月に右ひざ手術を受けているソフトバンク松中信彦外野手(36)が、キャンプで小休止した。第3クール最終日の14日、バットを握らず、ジョギングやウエートトレだけのメニューで終えた。当初はこの日をメドに屋外フリー打撃を再開したい考えもあったが、寒さの影響もあり自らにストップをかけた。

 「ひざは大丈夫。でも左ひざをかばおうとすると、ほか(の部分)にも負担がくる。この状態じゃバッティングはできない。今日は(ペースを)落とす」。

 午前中の日課となっている多目的グラウンドでのジョグ、ダッシュを終えた松中の顔が少し曇った。前日までスムーズに歩いていたが、明らかに足を引きずるしぐさも見せた。本来ならこのあとにトス打撃、ティー打撃、ロングティーとこなすはずだったが、自分の判断で取りやめた。

 11日に手術後初めてのマシン打撃を室内で行い「痛みがなかった」と好感触を口にした。順調に見えた復活ロード。そこに思わぬ“難敵”が立ちはだかった。この日の最高気温は16℃だったが午前中は10℃以下と寒く、昼すぎも体感気温はあまり変わらなかった。

 松中は「今日は気温が低かったから無理をしなかった。寒かったから(患部が)ちょっと張った」と影響を隠さなかった。今週は寒さ続きの予報とあって、しばらくは慎重にならざるを得ない。B組(2軍)全体練習への合流時期も不透明だ。「焦らずやっていきますよ」。思うように前進できない苦しさはグッと胸にしまい込んだ。

 [2010年2月15日11時59分

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