<オリックス5-0阪神>◇2月28日◇春野

 これが実力よ!

 オリックス岡田彰布監督(52)が古巣阪神に「リベンジ」し、就任初勝利を挙げた。開幕の楽天3連戦の先発が予想される「3本柱」が3回ずつを投げ、3安打リレーで完封した。

 一塁ベンチ前でナインを出迎え、初めて勝利の儀式を終えた指揮官は柔和な表情を浮かべた。「昨日のうちのメンバーと、今日の阪神のメンバーならこうなるよな」。相手打線のレギュラーはマートン、鳥谷、桜井くらい。抑えて当然といった様子だが、力の差を明確に見せつけた主戦投手が頼もしかった。

 圧巻は2年ぶり2度目の開幕投手が決定的な先発金子だ。3回を1四球だけの被安打ゼロ。「初球から簡単にストライクを取るし、本当に安定している」と絶賛した。山本、近藤も3回ずつ「0」を並べ、実力をアピールした。

 前日27日の初陣では5被弾の惨敗で「ミズノ製のボールはよく飛ぶ」と悔しさを紛らわせた。逆に痛快な完封劇できっちり仕返し。「今日の投手が打たれたら困るわ」と苦笑いしたが、古巣相手の快勝で内心ホッとしたに違いない。

 今年は10年ぶりの本拠地開幕。岩隈、田中が投げてくる楽天が相手では形勢不利にも思われるが、自慢の先発陣が稼働すれば十分戦える。「次は5回いって7回いってな。順調にいってくれたらいいわな」。残り3週間の道筋がくっきり見えてきた。

 [2010年3月1日10時56分

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