＜ヤクルト１－２横浜＞◇４日◇神宮

　横浜がわずか３安打で連敗を３で止めた。９回までに２２安打を放ちながら敗れるというプロ野球初の珍事から一夜明け、６回２死から２安打１四球で２点を挙げた。プロ初先発のルーキー加賀繁投手（２４＝住友金属鹿島）が、４回２／３を１失点。その後は満塁のピンチを４度つくられながら、小刻みな継投で追加点を許さなかった。最後は、前夜、逆転サヨナラ本塁打を浴びたクローザー山口俊（２２）が締める総力戦で逃げ切った。

　横浜が難産の末、４戦ぶりの勝利をつかんだ。１点差の９回２死満塁、山口がこん身の１４５キロ直球で相川を右飛に打ち取った。逆転サヨナラ弾を浴びたリベンジに「死ぬ気で抑えました。昨日やられて、やり返したかった」と安堵（あんど）した。前夜は悔しさで午前４時まで眠れなかった。村田から「お前、唇乾き過ぎ」とツっこまれるほどの緊張を乗り越えた。

　必死の継投だった。プロ初先発のルーキー加賀は５回途中まで１失点と好投した。後を受けた桑原謙と牛田は３イニング連続で満塁の危機をつくったが、何とかしのいだ。８回は日本ハムから移籍し、この日１軍登録された江尻が初登板。「『神宮に来て』と言われていただけだったので、まさかこんな（重要な）ところで使われるとは」と驚くほどの総力戦だった。

　前日は９回までに２２安打しながらも敗れるという史上初の珍事を起こしたが、この日はわずか３安打で勝利した。ヤクルト村中の前に６回２死まで無安打だったが、内川が四球で出塁すると、村田が１４４キロ直球を中堅左へ運ぶ二塁打を放って同点。続くスレッジも右翼線へ適時打を放ち、２安打で逆転に成功。スレッジは「こういうのが野球の不思議なところ。ムズカシイネー。自分がヒーロー（インタビュー）になったが、チームが一丸となって勝ち取った試合」と、日本語を交えながらうなずいた。

　ここ２試合は０－１、１２－１３。抑えれば抑えられ、取っては取られの横浜だったが、ようやく投打がかみ合い、１点差試合をものにした。【斎藤直樹】

　［2010年4月5日8時34分

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