<ロッテ8-3西武>◇9日◇千葉マリン

 ヒーローの第一声は「はしゃいですいません」だった。ロッテ4年目の神戸拓光外野手(25)が大興奮の1号3ランを放った。1回、3点を先制し、なおも1死一、三塁。自打球を右ヒザに当て退いた福浦の代打で登場。西武涌井の高めの直球を振り抜き、ロッテファンの待つ右翼スタンドへ放り込むと、「何がなんだか分からない。もう、言葉も出ない」と舞い上がった。最初は右手でガッツポーズ、二塁を回ると両手を突き上げ何度も跳びはねた。西武ベンチの前では感情そのままに喜びを爆発させ、一塁側スタンドには、プロレスのインリン様のような「M字開脚」も披露した。

 過度の歓喜に西武は“反応”。3回1死の第2打席では、3球連続で内角攻めで死球を受けた。金森打撃コーチと西村監督が駆け寄り、両軍入り乱れる一触即発の空気になった。神戸は「やるつもりはなかった。出ちゃいました」と言い、「(死球は)故意的なものはないと思う。ライオンズの方々にも悪いことをした。サヨナラとかだったらいいけど」と、節度を越える喜び方だったと反省した。

 それでも連敗を防ぐ貴重な1発だったことに変わりはない。「今日が自分の開幕です」としみじみと話していた。【斎藤庸裕】

 [2010年4月10日9時45分

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