<ソフトバンク6-0日本ハム>◇9日◇ヤフードーム

 日本ハムのドラフト5位ルーキー増井浩俊投手(25=東芝)が、圧巻の151キロデビューを果たした。打線の援護に恵まれず、プロ初黒星を喫したが、持ち味の剛球で猛アピールし、次回登板のチャンスを膨らませた。

 球場がどよめいた。0-0の2回2死二塁のピンチ。7番李■浩を迎え、スイッチが入った。カウント2-2と追い込み、最後が外角低め151キロ。この日最速の直球で、09年3月のWBC韓国代表の右強打者を力勝負で仕留めた。「打者へ向かっていく投球を心がけたい」と宣言していた通り、若さで押した。

 ローテーションの谷間で抜てきされた。3回に川崎に146キロ直球を、右越えへ運ばれる2ランがプロ初被弾。7回も高め直球を李に、左翼席へソロを浴びた。続く松田に右中間二塁打を許して降板したが、潜在能力をアピールするには十分の6回0/3、ちょうど100球の“奮投”だった。

 今回の遠征前に、札幌では駒大の先輩武田久と高級すしをつまみ、励まされた。マウンドだけではなく「ウニがこんなに甘いなんて」と感動し、生活面でも実感したプロの世界。この日、ほろ苦くも、収穫十分の第1歩を踏み出した。※■は木ヘンに凡

 [2010年4月10日12時7分

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