<西武5-8日本ハム>◇17日◇西武ドーム

 さわやかな男前2人が、ベンチ前で抱擁を交わした。苦しむ日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)を救ったのは、キャプテン稲葉篤紀外野手(37)のひと振り。ヤクルト時代の01年5月31日巨人戦以来、自身3本目、移籍後初めてとなる逆転のグランドスラムだ。「みんなが出迎えてくれたのがうれしくてね。打ったことよりもそれがうれしかった。一体感を感じました」。低迷するチームに明るい光が差し込んだ。

 絶体絶命だった。エースの大量失点。暗雲立ちこめる中、迎えた5回だ。1点を返して3点差とし、さらに2死満塁の好機で打席が回った。「みんなが必死につないでくれたので、何とかしたかった。手応えは最高でした」。西武許の138キロ直球をはじき返すと、打球は右翼フェンスのはるか上空を越えていった。16日には、1歳年上の広島前田智がサヨナラ打を放ったニュースを見た。「刺激になりますよ。年を取ると(引退する選手が増えて)年々さみしくなる」。気持ちを入れ直して、臨んだ一戦だった。

 椎間板(ついかんばん)症で5試合欠場し、右翼守備に就くのも10日ぶり。この日の朝も電気治療、半身浴などケアを入念に行ったが、8回の守備では高山の右中間への当たりをダイビングキャッチで好捕した。「2、3年前だったらイージーだったと思う。足が動かなくて」と照れたが、攻守でチームに勢いをもたらした。「明日が大事。ズルズルいっちゃダメ」。その目は、すでに先を見据えている。【本間翼】

 [2010年4月18日11時35分

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